とても奇麗に全身体内光が表現され、それが黄色色素と合わさることで、上見から見たリアルロングフィンのヒレの大きさと、ヒレ光と共にこの品種をより魅力的に見せてくれています。
横見からもわかる尾の付け根の黄色色素も見逃せません。

交配当初は黄色色素が失われてしまい、なかなかこの体色表現が現れに選別には苦労をしました。
三世代目で黄色色素が少し出現して、そこから体色とリアルロングフィンのヒレの形状、体内光の色味の選別などを行い固定化しています。
より奇麗な体内光を出現させるために極力体外光が出ないようにしていますが、体外光は光らせようとするとなかなか光らないのに、逆にあまり光らせないようにしようとすると一定数、光ったままになります。
ここに実は選別のヒントがあると考えています。

全身体内光のリアルロングフィンという物を作りたくて交配したメダカになります。
親は「彩ノ輝」に「リアルロングフィン」をかけています。
上から見た時の首の部分、頭の部分から尾筒の部分まで光る、そこが体内光になっているものが全身体内光になるんですね。

やっぱり通常、リアルロングフィン化するっていうことはどちらかというと横見への意識が強くなっていってリアルロングフィンをかけることが多いんですね。
上見特化でリアルっていうのは実際それを作る必要性があるのかどうかっていう部分が出てくるんですけれども、全身体内光は残念ながら横からでは体内光って見えないんですけど、横見でもヒレがしっかり光ってヒレの中に色素が入るっていう意味合いで、横見では「彩ノ輝」の綺麗なその黄色い体色だけを頂いて、ヒレ光とヒレの色を合わせることによって横見の観賞価値がある全身体内光です。

もちろんその上見から見ていただいた方が全身体内光っていうものはしっかり表現されていて綺麗なんですけれども、その全身体内光を水槽で飼われる方もいらっしゃると思いますので、体内光もリアルロングフィン化してヒレを光らせることによって横見の観賞価値が十分発揮できるのではないかという考えで作りました。

例えば「彩ノ輝（さいのかがやき）」っていう、花小屋のオリジナルのメダカをずっと作っていく中で、常に毎日僕は自分のメダカを見ているわけですね。
「彩ノ輝」っていうのをもう数百数千という数を見ていくと、やっぱり進化させたくなってくるんですね。
進化させたくなってくる時に上見特化で進化っていう風に考えていくと、全身体内光ってある程度観賞価値が高くなってきているので、通常横から見えない体内光を横見で見れるようにするにはどうしたらいいのかな・・・とか、そういった事をふと考えることがあります。
そういったところがきっかけになって、リアルロングフィンと掛け合わせて横見でもしっかりきれいなメダカに仕上げてみようかなってなります。

リアル化するっていうことに関してはそんなに時間かからなかったですけど、体色固定っていう面ではやっぱりその幹之系統の色（遺伝子）を入れてしまっているので、やっぱり青みがかってしまったりするので、「彩ノ輝」の体色・・・「彩ノ輝」の全身体内光っていう風に選別していったので、今のところ遺伝率が三割程にはなってきますね。
どうしてもやっぱり体外光が強く出てしまったりだとか、青っぽい体色の子がまだ生まれてくるので完全固定にはもう少し時間かかると思うんですけれども、三割強遺伝するというところでは、もう品種として認められていいと思います。

（花小屋 店主 戸松 具視 監修）