室内水槽飼育を開始するにはいくつかの用品が必須です。まずは水槽、こちらはメダカの飼育のスタンスに合わせて準備して下さい。

繁殖目的の場合

繁殖イメージ

水槽

水槽

まずは繁殖目的の為のお話をさせていただきます。繁殖目的であれば小型の水槽をいくつか準備しましょう。なぜかと言いますと、1・親水槽 2・稚魚用水槽 3・幼魚用水槽が最低でも必要です。親のメダカの種類が増えるのであれば、そこも想定して準備をして下さい。

照明器具

照明器具

観賞魚用の照明器具、特に明るめのものを準備します。メダカは基本太陽が大好きです。室内飼育の場合問題点となるのが日照不足です。明るめの照明器具を使い、しっかりと水槽の底まで光が届くようにしましょう。1日12時間~14時間は点灯して下さい。また点灯したままですと、メダカの体内時計が狂いますので注意してください。

ろ過フィルター

ろ過フィルター

様々な形のろ過フィルターがありますが、メダカの場合水流の強くないろ過フィルターがおすすめです。エアーの強さで調整できますので、強い水流を避けながら、効率よく飼育水をきれいにしてくれます。

底砂

底砂

栄養系と言われる柔らかめのソイルがおすすめです。栄養系ソイルにはバクテリアも繁殖しやすく、水質の維持管理に適しています。色は濃い目がおすすめです。メダカは保護色で体色の濃淡を出しますので、濃い色のソイルの方が、メダカの表現も損なわれる事が少ないでしょう。

観賞魚用のヒーター

観賞魚用のヒーター

室内の常温ですと季節により水温があまり上昇しない為、産卵が止まり病気の出やすい水温になってしまう事があります。せっかく室内ですのでヒーター使用し設定温度23℃で管理すると親メダカが過ごしやすい水温となります。しっかりとエサを食べ飼育水が安定しているのであれば、メダカは毎日産卵繁殖してくます。産卵床は必ず一つ入れるようにし、10日程で産卵床ごと別の水槽に移動してください。

うまく産卵しない場合

もし水温も大丈夫、エサもよく食べる、でも産卵しない。そんな症状がある場合はph高くなりすぎている(8以上)またはエサの栄養バランスが悪い等も考えられますので、phを測り、高いようであれば水を換え、中性まで調整します。エサは産卵用の高カロリー食に変える等の対処をします。親メダカ同士の相性が悪い時もメダカは産卵しなくなります。オスがメスより極端に小さい、オスの求愛が強すぎてメスがエサを食べていない等も考えられますので、観察し対処していきましょう。

産卵後の注意点

産卵イメージ

移動した産卵床と卵は、受精卵より積算温度250℃(例:水温25℃×10日)になると孵化が始まります。親水槽と同じ23℃のヒーター設定でおおよそ11日程で孵化します。
ろ過フィルターは親水槽よりも弱くしてください。強い水流は稚魚の体力を奪ってしまい、場合によっては死んでしまう事もあります。

孵化して3日目頃より稚魚用のエサを与えていきます。照明器具も親と同じように使用しましょう。
食べ残しのエサはこまめに処理すると水質悪化を防ぎ、病気予防にもなります。
飼育水は汚れが目立った時に変えてあげましょう。メダカの入っていない水槽に同じ温度設定の飼育水があると便利です。飼育している水槽より大きめの水槽を使用すると普段の足し水にも使用できるので、管理しやすくなります。特にコケが稚魚水槽に多く発生すると小さな稚魚はコケにつかまり、死んでしまう事もあります。定期的にコケの除去も意識してください。

成長が進んできますと、稚魚も早く大きくなる子がいます。先に大きく育ったメダカが小さな兄弟をつついたり、食べてしまいますので、大きくなった子は別の水槽に選別し移しましょう。

やがて大きく育ち親メダカにも負けない大きさに育ち、産卵繁殖をするようになります。この時親メダカと一緒に飼育してしまい、親メダカと子メダカで繁殖してしまいますと、血が濃くなり過ぎてしますので、繁殖を目的としている場合、親メダカとの混泳は避けてください。

水槽飼育を行う場合

水槽飼育イメージ

繁殖目的ではなく水槽飼育をする場合も同様に照明器具、ろ過フィルター、観賞魚用ヒーター、ソイルは用意しましょう。大きめの水槽で水草や水槽レイアウトを一緒に楽しむのも良いです。水草が元気に育つ環境はメダカも元気に育ちますので、水草はメダカの健康のバロメーターにもなります。定期的な水換えを行い、メダカの健康状態をチェックしながら管理しましょう。水草などが育ちすぎてしまうと、メダカが泳ぐ場所が無くなってしまい病気の原因にもなります。トリミングなどを適切に行い水槽内のバランスを保つようにして下さい。

室内水槽飼育の注意点としましては、日照不足に病気や産卵しなくなる。日々の観察を怠らすメダカの健康状態の維持、エサのあげすぎによる消化不良やコケの発生。照明器具の付けすぎ、ろ過フィルターの水流の強さなどをベースに気を付けましょう。室内飼育から屋外やベランダ飼育に切り替える場合は5月上旬等気温が高く、天気の続く日が良いです。

室内飼育成功のポイント。プロがポイントを解説!

(花小屋 店主 戸松 具視 監修)