1月~2月

寒さが本格的になり、関東では飼育容器に氷の張る季節となります。
メダカはあまりエサを活発に食べない水温です。氷が張ると、氷の下でメダカはじっとしています。しかし日中の気温の上昇と共に氷が解け、水温が少し上がるとメダカも水面を泳ぎだします。この時12:00~14:00迄の時間帯で、軽く給餌をしてあげてください。よくメダカは冬眠すると言われていますが、実は変温動物の為、冬眠している訳では無くて、低い水温の為活動を休んでいるだけです。冬季の水温でも天気の良い日は水温が10℃程度まで上昇し水面を回遊します。これはエサを欲しがっているサインです。量を多く与えてしまうと、消化不良や食べ残しのエサのせいで水質悪化の危険がありますので、本当に少し、20~30秒で食べきる程度の給餌を心がけましょう。これにより冬季の栄養不足を防ぎ、春から速やかに産卵が開始されるようになります。 注意点としましては、寒い日が続く時は日中氷が溶けきらずに翌日また寒さで氷が張ると、どんどん氷が厚くなり小さな容器ですと水すべてが凍り付いてしまいます。そのような日が続く場合は、氷を取り出し、減った分の水を足すようにして、メダカの居場所をしっかりと確保してください。また水温が低い為ほとんど水換えなどは必要ありませんが、病気等を発見した時には水を替え、市販の観賞魚用の薬にて治療して下さい。

冬期イメージ

3月~4月

気温の上昇と共に水温も上がり始め、いよいよ春の産卵に向けてエサもよく食べ始めるようになります。3月のお彼岸を目安に冬季を越えた飼育水の全交換をしましょう。
環境変化によりさらにエサの食いも良くなり、繁殖行動も取るようになっていきます。
桜が咲くころには早いメダカは産卵を開始します。しかし焦って採卵したとしても、この時期は朝の水温が低い為に、オスがメスを上手く追えず、無精卵である事が多いです。
早くても4月の後半頃よりの採卵をおすすめします。 無精卵と有精卵の違いですが、産卵床などに産み付けた卵を人差し指と親指で少し強めにつぶすようにすると、無精卵はすぐにつぶれます。有精卵は固くつぶれることはありませんので、確認してみてください。
注意点としましては、最初の飼育水全交換の際、いつもより慎重に水合わせ、水温合わせを行ってください。元の飼育水をボウル等に入れ、その中にメダカを移し、洗った容器に水を張ったら浮かべて、水温合わせに2時間、その間に新しい水を30分おきに50cc程度ボウルの入れ、元居た飼育水と新しい水を馴染ませたらそのまま新しい飼育容器に放してあげて下さい。

5月

本格的な繁殖シーズンの到来です。メダカは毎日産卵しますので栄養不足で産卵が止まらないようにしっかりと給餌しましょう。またよく食べる分、飼育水の悪化も早くなります。最初のサインとしましてはいつもよりエサの食べる量が減ったり、食いつきが悪くなります。
その時点で底にたまったフンや残ったエサを網やスポイトで取り、飼育水を半分程変えてください。水はあらかじめ飼育容器の近くに汲み置きしていると、水温も同じ水温になるので、水を変えるときは便利です。急遽水換えが必要な場合には、水道水の場合、市販のカルキ抜きを使い、水温を合わせてから使用しましょう。産卵した卵の管理も重要になります。メダカは有精卵になってから積算温度250℃(例:水温25℃×10日)で孵化が始まります。それまでに飼育容器から産卵床、または水草ごと別の容器に移しましょう。親の飼育容器にはまた新しい産卵床を1つ入れてください。数日するととても小さな稚魚が沢山水面を泳ぎだすはずです。
注意点としましては5月上旬より陽ざしが強くなります。思いのほか水温が上昇してしまい、暑さに慣れないメダカは酸欠をおこしてしまいます。水温の変化を見極め、水温が極端に上がるようであればスダレやよしず等で容器に日陰を作ってあげましょう。

6月

生まれたメダカの子供達も少しずつ成長しています。メダカの稚魚が育たない、または大きくならない原因の一つとしてエサ不足があります。生まれて3日目以降は小さなメダカの子供達もエサを必要とします。稚魚が食べられる様に市販の稚魚用エサ、粉状のエサを毎日あげて下さい。また日当たりが良い場所の方が水温も上昇するので、稚魚の成長も早くなります。親メダカはまだまだ産卵シーズンの真っただ中です。変わらず体調管理に気を付け、産卵が止まらないようにしましょう。
注意点としましては、稚魚はあげた全部のエサをなかなか全部は食べられません。それにより水質の悪化の為親と同じように病気になります。飼育水が汚れてきた場合は親メダカと同じように水交換をしましょう。1mm目程の網でやさしく掬ってください。

7月

前半では梅雨の雨も強くなり雨が多い季節です。それに伴い水温も低い状態が続き、産卵が止まりやすく、病気の発生も多くなります。大量の雨が飼育水に入ると、水温変化水質変化もおこります。一日冷たい雨の予報の時などは、容器にフタをしてあげるのも良い方法です。稚魚たちはより水温低下、水質変化に弱いので、できれば雨のあたらない場所へ避難させてあげましょう。
後半では梅雨明けとなります。いままでとは一転して天気が続き気温も水温も高温になります。梅雨明け直後は特にメダカにも負担は大きく、温度差等に適応できないメダカもいます。梅雨時期に落ち着いていた飼育水も急にバランスを崩し、夜間の水温も高い為水腐れや酸欠により一容器全滅等も想定される季節です。少しでも水の傷みを感じた場合は即座に水換えをしましょう。日中は高水温を避けるためにスダレやよしずなどを使い水温が33℃を越えないように気を付けてください。ポイントさえ押さえてしまえば、この時期親メダカは沢山産卵してくれます。生まれた稚魚達もすくすくと育ちますので、実はメダカ繁殖に一番良いシーズンです。春に生まれたメダカたちも早ければこの時期には産卵が始まりますので、親メダカの世代交代をしても良いと思います。
注意点としましては梅雨明けからの高温対策として梅雨明け前にできる限り飼育水を清潔に保てるよう水交換をしておきましょう。この時の水換えは全交換でも良いです。梅雨明け後は日中の気温もですが夜間の気温も気を付けてください。夜間の水温が下がらない事により、翌日以降水温の上昇の時間が早まります。それにより昨日大丈夫だった水槽も思わぬ水温上昇をしてしまう事があります。

8月

梅雨明けの7月後半より、さらに気温が上昇しますのでよりメダカの観察を怠らないようにしてください。夕立やゲリラ豪雨等の心配もあります。メダカは活発に泳ぎ、エサも沢山食べます。産卵が止まらないようにしっかりと給餌して下さい。特にお昼頃よりは水温上昇が考えられます。今まで大丈夫だった飼育容器も酸欠の恐れがあります。稚魚は同じ容器で育っていても大きさに差がでてきます。早く大きく育ったメダカは、兄弟の小さな子を食べてしまいますので、サイズ事の選別をしてあげましょう。
注意点としましては水草を入れている場合は、あまり葉がしげるとメダカに日が当たらなくなり、やはり病気になることがあります。適切に葉を間引き水温の調整と日照不足にならないようにしてください。

夏期イメージ

9月

少し気温も落ち着き秋の風に変わる季節です。春に生まれたメダカは親に負けない大きさに育っています。このころ生まれた稚魚達は。少し余裕のある容器や稚魚の数を少なめにしてこの先の冬を乗り越えられるようできる限り大きく育てましょう。冬越しには最低1cm程の大きさまで育てていると安心です。
注意点としては、台風の季節です。大量の雨水により水質変化や水温低下、水が溢れてメダカが流されてします事もあります。養生の容器のフタも、風で飛ばされないようにしっかりと重石等を乗せ、無事に台風が通過するのを待ちましょう。稚魚容器は一時的に避難させてあげるとより安心です。

10月

朝晩では少し肌寒く感じるようになり、メダカの産卵も落ち着きだします。産卵しているメダカもいると思いますが、採卵せず自然のまま見守りましょう。飼育水の交換も給餌の量にたいして少しゆっくりで良いです。朝の給餌の際も天気によっては水温が低いので残してしまう容器も出てくる頃です。容器の大きさやメダカの数にあわせて給餌量を調整して下さい。また秋の長雨もあります。今までの管理とは異なり元々の水温が低い状態から、雨水が入りますので、長雨の時にはやはり容器にフタをしたりして、極端に雨水が入らないようにして下さい。寒い時期から上がりだす15℃の水温と暑い時期から下がる15℃の水温ではメダカも少し状況が違います。暑さの慣れから下がる水温は病気も出やすい為、油断せず観察を続けてください。
注意点としましてはこれから始まる冬に備え出来る限りメダカが食べる時間に給餌をし、よく太らせ冬越しの体力を蓄えてあげるようにしてください。病気を発見した時には速やかに水を換え市販の治療薬を用い治療しましょう。

11月~12月

日照時間も短くなり、メダカたちも季節を感じいよいよ冬越しとなります。今年育ったメダカも大小様々です。出来る限りサイズごとに選別して冬越しをさせてあげてください。飼育水も11月中旬頃に全交換し、清潔を保ち冬越しに望みましょう。日中温かい時間帯では水面を泳ぎメダカがエサをねだります。軽め量で構いません、20秒~30秒程で食べきる量を与えてください。12月になると積雪の可能性もあります。雪は雨よりもメダカにとっては大敵です。雪が飼育容器に入らないようにフタをしてあげましょう。
注意点としては、あまり網で掬ったりしてしまうと粘膜がはがれそこから病気になってしまいます。なるべくメダカに負担がかからないようにそっとしてあげる期間でもあります。
寒い季節ですが乾燥していますので、想像以上に飼育水が蒸発し減る時期でもあります。定期的に観察をし、同じ水温の水で足し水をしてあげましょう。

屋外飼育の1年間を月ごとに解説

(花小屋 店主 戸松 具視 監修)