金魚も私たちと同じ生き物なので、突然死んでしまうことがあります。
朝起きたら突然死んでしまっていた、昨日まで元気だったのにということがないように、その原因と対策についてご紹介します。

金魚に突然死は意外と少ない!?予兆を見極めよう

金魚イメージ

飼っている金魚が死んでしまうと「突然死んでしまった」と感じるかもしれませんが、実は亡くなる前にサインを出していることが多く、本当の意味での突然死はあまりありません。毎日しっかり観察し予兆を発見できれば、死を防げるかも知れません。
今回は金魚が突然死する原因と死亡する前の予兆を紹介します。

金魚の突然死に繋がる5つの原因と対策

1)水質悪化

エサの食べ残しや金魚のフンなどは、放置すると分解されてアンモニアが発生し、ろ過バクテリアによって分解されて亜硝酸になります。
アンモニア・亜硝酸両方が金魚にとって有害になるため、中毒症状により死亡する可能性があります。
足し水だけではなく、2週間に1回は水換えを行い濃度を下げましょう。水道水に含まれる塩素や重金属はろ過バクテリアを殺してしまい水質悪化のスピードを早めてしまうため、カルキ抜きは必ず行いましょう。
さらにデリケートな稚魚は、水質悪化によって突然死してしまう可能性が高くなります。
稚魚の数が多い場合は選別によって数を絞ったり、水換えの頻度を調整する必要がありますので特に注意しましょう。

2)水質・水温変化

急激な水質変化によるショックを『pHショック』と言い、pHショックを起こしてしまうと数日以内に死んでしまう可能性が非常に高くなります。一度に大量に水換えを行ったり、水合わせが上手くできていないことが主な原因です。水換えや水合わせは正しい方法で行いましょう。
金魚の正しい水換えについてはこちら

また、水温の急激な変化(プラスマイナス2度以上)や、33℃以上への水温上昇などもストレスを与え、突然死につながる場合があります。水槽の場所を変える時などは、環境の温度差に注意しましょう。

3)酸欠

ろ過フィルター
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私たちも呼吸が苦しくなるとストレスが増しますが、それは金魚も同じです。魚が多い過密状態の水槽は、酸素不足が起こりやすい状態です。
水中の酸素はどんどん減っていくため、何もしないと金魚が酸欠になります。水面で口をパクパクさせていたら酸欠の可能性あります。エアレーションを使って酸素を取り込んであげましょう。

4)エサ

金魚のエサ
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エサの与え過ぎは金魚の排泄物や食べ残しの増加につながり、アンモニアが発生する原因になります。加えて、消化不良や便秘などで死に至ることもあります。水槽内に食べ残しが見られなくても食べ過ぎの可能性はありますので、5cm程度の小さな金魚には1分以内に、大きい金魚には5分程度で食べきれる量を1日に数回に分けて与えましょう。酸化したエサも水質悪化・金魚の消化不良につながりますので、消費期限内のものを与えましょう。

5)病気

金魚は熱帯魚と異なり、天然には存在せず人工交配によって作られた生き物です。そのため熱帯魚に比べると、生命力は強いものの病気にかかりやすいとされています。
金魚の病気をいち早く知るには、日常的に金魚の様子を観察することが大切です。
泳ぎ方が鈍くなったり鼻上げしたり、いつもと違う泳ぎ方をしている。体形や体色が違う。また、群れから離れていないか、エサをきちんと食べているかどうか注意しましょう。
毎日のチェックが、いち早く病気への感染を知ることにつながり、水槽内の他のお魚への伝染を防ぐことにつながります。

病気は通常徐々に金魚を蝕みますが、エラ病や金魚ヘルペスといった、エラを破壊する病気は突然死につながる可能性があります。
エラ病は見た目ではわかりにくいエラに症状が出るため、気づかず処置が遅れしまうことがあります。
金魚ヘルペスも見た目ではわかりにくいですが、健康なお魚のエラが赤色なのに比べて病魚は貧血の度合いにより、ピンクから白っぽく見えますのでよく観察してあげましょう。

その他、金魚がかかりやすい病気をご紹介します。

1)白点病

体表やヒレなど、全身に白い点が出現する病気です。白点虫に感染することで発症します。感染力が強く、窒息死するケースもあるので、見つけ次第、隔離と治療が必要です。菌が高水温に弱いため、水温30度程度で数日間飼育し、1週間の薬浴を行うことで快方に向かうでしょう。

2)転覆病

その名の通りお魚が上下ひっくり返ってしまう病気です。原因は不明です。徐々に弱って死んでしまうことがあります。ほとんどの場合、水温を30度程度に上げて飼育すれば完治するとされています。

3)松かさ病

松ぼっくりのようにうろこが逆立つ病気です。病気が進むと完治が難しくなる場合が多く、初期症状を見逃さないことが大切です。体長が縦に成長せず、横に広がってきている。うろこが浮いている、などの症状が現れた場合はすぐに治療しましょう。

4)穴あき病

体表の鱗が落ち、最後は筋肉が露出したりします。死に至る確率は低いですが、観賞魚としての美しさが損なわれてしまいます。専用薬があるので薬浴させましょう。25度以上の水での飼育で自然治癒することもあります。

5)水カビ病

水槽に常在するミズカビ類が、魚が弱っている時に付着して繁殖する病気で、これも死に至ることがあります。塩水で延命が可能です。水温20度以下で発生しやすいため、水温調節で予防しましょう。

6)風船病

ピンポンパール特有の病気で、腹や尾の皮膚に風船状の水ぶくれが発生する病気です。時に、血腫状のふくらみになることもあります。エロモナス属細菌の感染によるものということは分かっていますが、原因は不明です。難治性で致死率も高い恐ろしい病気です。

死の前兆はあった?金魚が死ぬ前にとる行動と対処法

金魚が次々に死んでしまうのを防ぐため、前兆を察知してすぐ対処できるようにしておきましょう。

食欲不振

エサを食べなくなった場合、ストレスや病気、不適切な水温などが原因かもしれません。塩浴や水換えをすると突然死を防げる可能性があります。

激しく泳ぐ

狂ったように繰り返し泳ぐ場合は、アンモニア・亜硝酸中毒や寄生虫感染などの可能性があります。水換えできれいな水に変えると効果的です。

水面に浮かぶ・ひっくり返る

水面にプカプカ浮いている、ひっくり返っている状態で、それ以外は元気なのであれば消化不良による転覆病の可能性があります。
早期に発見し水温を30度程度に上げて飼育すれば完治する場合がありますが、水面でじっと動かない、ひっくり返って微動だにしない状態のままだと、極限まで弱っていると考えられます。

金魚の突然死についてご紹介しました。
突然の悲しいお別れを防ぐには、普段から金魚の様子をしっかり観察することが大切です。

  • 泳ぎ方が鈍い、または激しい。鼻上げしたり、いつもと違う泳ぎ方をしている
  • 体形や体色が違う
  • 群れから離れている
  • エサを食べていない

これらの予兆があったらすぐに、ご紹介した対策法を試してみてください。

病気の原因の一つ、金魚の消化不良のメカニズムについて解説しています。
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