はじめての方でも金魚飼育は楽しんでいただけますが、「水槽にろ過フィルターを付けて水を張ればすぐ始められる!」…という訳ではありません。
ここでは、はじめて金魚の水槽を立ち上げる方向けに、長生きできる水槽を立ち上げる方法やコツを紹介します

長生きできる水槽の第一歩は水づくりから!

金魚イメージ

金魚を上手に飼育する上で大切なのが『バクテリアを生かす』こと。たくさんバクテリアを繁殖させれば飼いやすくなります。なぜなら金魚は食欲旺盛で活動的なため、フードの食べ残しやフンなどが発生しやすいです。その結果、水質悪化につながる汚染物質が発生し、水質は悪化していきます。しかし、バクテリアは汚染物質を分解して無害にしてくれます。そのため金魚水槽には多くのバクテリアが必要になります。
バクテリアを繁殖させるには、ろ過材を洗いすぎないようにしましょう。あまりにも清潔すぎるとバクテリアは繁殖しづらくなりますまた、バクテリアは酸素を消費して汚れや汚染物質を分解してくれるので、酸素もしっかりと水中に送りましょう。
また、水のpH値にも気をつけましょう。金魚に適したpH値は7.0程度。これは日本の水道水と同程度なので、カルキ抜きをした水道水をそのまま金魚の飼育水として使えます。念のために毎回pH値を測定し、水温を18度程度にしてから水槽に加えていきましょう。
もちろんお掃除も忘れずに。金魚は胃を持たないので、食べたフードをすぐにフンとして排出します。こまめに水槽内を清掃しましょう。

金魚を飼うために必要な用品とは?

金魚は身近な生き物です。子どもの頃に飼育した経験がある方も多いでしょう。
金魚の飼育に最低限必要な飼育用品は、今も昔もほとんど変わりません。しかし、最近の飼育用品は、子どもの頃よりも確実に金魚を長生きさせてくれます。便利な飼育用品を使い、長く楽しく金魚を飼育するために、必要なアイテムを紹介します。

最低限必要なアイテム

水槽
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1)水槽

小型水槽から始めたくなるかもしれませんが、長く飼育するなら60cmの水槽を用意する方が水も汚れにくくおすすめです。強度や観賞しやすさを考慮して、水槽を選びましょう。

フィルター付きエアポンプ
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2)フィルター付きエアポンプ

水槽内に酸素を送り込むと同時に、水の汚れを取り除きます。エアポンプとろ過フィルターはエアチューブでつなぎます。金魚は投げ込み式ろ過フィルターが一般的です上部式や外掛け式などでも問題ありません。

カルキ抜き(塩素中和剤)
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3)カルキ抜き(塩素中和剤)

水道水に含まれている塩素を中和させるための薬剤です。水道水を1日汲み置きする場合は、カルキ抜きは不要ですが、トラブルなどで急に水換えが必要な場合もあるので、買っておくことをおすすめします。

バクテリア剤
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4)バクテリア

バクテリアは、アンモニアの分解や雑菌の繁殖を抑えるために必要です。頻繁に水換えを行えばバクテリア剤は不要とされていますが、1〜3週間単位の水換えなら、バクテリア剤を投与した方が良いでしょう。

さらに金魚が快適になる便利なアイテム

砂利
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1)砂利

砂利は必ず入れなければならないわけではありませんが、水質維持やバクテリアの繁殖にはプラスになります。また水草育成を考えるなら砂利は必須と言えます。

水温計
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2)水温計

金魚は温度変化に強い上、適応水温域が広いため、シビアに温度管理する必要はありません。しかし、急激な温度変化に弱く、消化不良にも繋がる可能性があるため、金魚を元気に育てることができるヒーターを使い、18℃に水温をキープしましょう。

水草

3)水草

水質を安定させる効果があります。ただ、枯れてしまうと水質汚染の原因となるので、注意して管理しましょう。アナカリスなどがおすすめです。

金魚水槽の立ち上げ手順

金魚は生命力や環境適応能力が高いので、はじめての方でも気軽に飼育をスタートできるでしょう。水槽を立ち上げる正しい手順を知っておくことは、水槽を大きくしたり、金魚が増えて新しい水槽に移す時に必ず必要になります。
金魚の水槽を立ち上げる基本的な手順を紹介します。

水槽を設置する

1)水槽を設置する

まずは水槽台を設置する場所を決め、水槽を設置しましょう。ガラス製水槽の場合は、水槽マットを敷くのを忘れないようにしましょう。一度水槽内に水を入れると、水槽マットを敷き直したり、敷き忘れた水槽の下に敷くのは難しいので気をつけてください。

砂利を入れる

2)砂利を入れる

砂利は必ず入れなければならないわけではありませんが、水質維持やバクテリアの繁殖にはプラスになります。また水草育成を考えるなら砂利は必須と言えます。

飼育水を入れる

3)飼育水を入れる

カルキ抜きをした飼育水を水槽内に注ぎましょう。飼育水の作り方は別ページで紹介しているので、そちらを参考にしてください。汲み置きの水でも良いですし、カルキ抜き剤を投入した水でも構いません。飼育水を注いだらろ過フィルターを動かし、ろ過装置が安定する1〜7日程度、金魚を入れずに水槽内の水を循環させましょう。

金魚を入れる

4)金魚を入れる

必ず水合わせをして、水槽の水に金魚が慣れてから水槽に投入してあげましょう。いきなり違う水質や水温の水に放り込まれたら、金魚は病気になったり体調を崩したりします。また、金魚の数は最初は少なめにして少しずつ増やすようにしましょう。1カ月程度は、与えるフードも少なめにしておきましょう。

最初の1ヶ月はしっかり観察!

5)最初の1ヶ月はしっかり観察!

アンモニアや亜硝酸などの有害物質を無害化するろ過機能が水槽内に定着するには、1カ月程度必要です。その間は、有害物質を外に出す為に水槽を立ち上げて1カ月程度は水のニゴリやフードの食べ具合など、水槽の用紙をしっかり観察し、状態が悪いと感じたら水換えをします。全水量の1/3〜1/2程度の程度交換が目安です。

6)通常ペースでのエサやり&水換え

水槽を立ち上げて1カ月もすれば、水槽内に有害物質を無害化するバクテリアの分解機能が定着しているはずです。以降は、1〜2週間に1回程度の水換えで大丈夫です。金魚を増やすなら、このタイミング以降にしましょう。

金魚水槽を立ち上げるには、水、アイテム、手順の3つが大切なことを紹介してきました。優先順位が付けられないほどどれも重要です。最初にも書いたとおり、金魚は生命力や環境適応能力が高い魚です。金魚が住む環境や様子に気をかけながら飼育することですくすくと成長し、長きにわたってその美しい姿を楽しませてくれるでしょう。