泳ぐ姿はまるで熱帯魚の様なマリアッシュ尾鰭の光がとても美しく、尻ビレ、背ビレのロングフィンの形質とのバランスが観賞メダカとしての優美な姿を象徴しています。

特徴的で奇麗な表現のメダカを交配させ選別をしていきます。
まずはロングフィンやヒレ光等の特徴を選別していき、その後体色固定を目指していきます。
F1等では黒体色でなくてもヒレの特徴で選別して親を選んでも良いと思います。
その後ヒレの特徴の遺伝率があがって来た時に黒体色を選び、選別固定して行きました。亜種の表現固定では2度ブラックモルフォ亜種をかけて、やっと尾ビレの表現を持たせることに成功しました。

親メダカは「ブラックモルフォ亜種」と「マリアージュロングフィン」です。
黒体色をべースにした幹之にはなるんですけれども、各ヒレがロングフィンになったりする特徴とよく光るヒレ光、特にマリアッシュの特徴っていうのは亜種表現って言われる、尾ビレの中の光なんですね。

もともとメダカって尾ビレとかヒレの外側が強く光るメダカっていうのは存在しているんですけれども、最近ではヒレの中までしっかり光る特徴というものが進化してきています。
そういった意味でも、亜種というロングフィンと尾ビレの中の光っていうものを兼ね合わせたメダカになります。
例えばなんですけどマリアージュロングフィンっていうメダカがいる中で、たくさん数を取って選別していく中で同じマリアージュロングフィンの中でも特にヒレがよく伸びるとか、特に光が強いっていう特徴のメダカがいて、またこっちのブラックモルフォ亜種の中では特に尾ビレが光っているなっていうものを見つけた時に、くっつけたくなっちゃうんですね。

特に亜種の表現を異種交配でメダカに遺伝させていくには、一度だけ交配させただけではなかなか遺伝しなくて、マリアッシュの場合は三世代目の時に もう一度ブラックモルフォ亜種の遺伝子を入れてあげることによって、尾ビレの中を光らせることに成功しました。

最初にかけ合わせた時の、最終的にこうしたいっていうもののビジョンはしっかりあるんですけどやっぱりなかなかそこはうまくいかない。
うまくいかない時には、やっぱりその何か欠けた部分を見つけてあげて、その欠けた部分っていうのをまた補うことによって、その理想に近づけていくような交配をする。
例えば一つの系統で三世代目まで行った時に、またもう一度かけ戻すって言えばそんなにイメージは違わないんですけど、実際にはそこでかけ戻すことによってまたF1から始まっちゃう。
またそこのF1からスタートしていくのでやっぱり仕上がるまで完成までには時間がよりかかってしまうっていう。
それでもいけるかないけないかなっていうものを累代をしていくよりは、現実的に良いメダカが作りやすいっていうところに至ります。

選別をして良くしていくパターンもあるんですけれども、やっぱりメダカも新しい表現っていうものはなかなか遺伝率が良くなかったりそれをまた異種交配をかけるので著しく下がってしまう遺伝率のものを累代で選別していこうというよりは、また良い遺伝子をもう一度突っ込んでやろうという考え方の方が新品種作成の近道になると思います。

なかなかやっぱりその亜種という尾ビレの中の光に表現が遺伝しなかった中で、本当に少しずつこう一本二本って光る尾を見つけながら、そこから累代をして選別を繰り返すんですけど、やっぱりその「マリアッシュ」っていう名前をつけられるなっていうところに、たどり着いた時は本当に嬉しかったです。

（花小屋 店主 戸松 具視 監修）