メダカ飼育イメージ

メダカの水槽を観察していると激しく体をぶつけあい戦っている様なメダカを目にすることがあります。これは喧嘩?と言えば喧嘩です。しかし実はオス同士の縄張り争いであります。

メダカは容器の広さにより行動が変わります。繁殖の為に2ペアのメダカをセットした時に、2匹のオスは自分の遺伝子を残すために、メスの取り合いをします。これが喧嘩、縄張り争いの理由です。縄張り争いに負けてしまったオスは、勝ったオスに追いやられてしまい。容器の端や産卵床の影、水草の間等に隠れ、ほとんど泳がなくなってしまいます。こうなってしまうと給餌したとしても、勝った方のオスに攻撃されてしまう為、エサも食べることをやめてしまい、最後は病気で痩せてしまったり、病気になったりして死んでしまいます。

もしそのような事があった場合には、負けてしまったオスは別容器に移してあげましょう。勝った方のオスは生命力も強く沢山の遺伝子を残してくれるはずです。

しかしここで気を付けなければいけないのは、その生命力の強さ故に、メスもそのオスの求愛なのか攻撃なのかが解らなくなり、オスに怯えてしまい。先ほどのオスと同様の行動をとってしまいます。こうなりますと繁殖どころではなくなり、傍若無人と化したオスのせいで全く産卵もせず、エサも食べなくなります。その場合1度オスと隔離して、エサをしっかり食べるようになってから、もう1度ペアリングをし直して下さい。また初期の対応としては、負けてしまったオスと入れ替えてみて、大丈夫なようであればそのまま様子をみましょう。

面白いことに、メダカは容器のサイズ、水の量によっては集団行動をとります。先ほどの攻撃的なオスも20L容器に20匹程の飼育水槽に移してあげると、全く攻撃性はなくなり、他のメダカと同様の集団行動をとり始めます。最近の改良メダカでは遺伝率も高くなっている品種も多いので、遺伝率の高いメダカの場合は少し親メダカの匹数を増やして繁殖させた方が、縄張り争いも無く繁殖させることが可能です。

しかし最新品種のメダカでは遺伝率が3割程度、体系、体色によってはそれよりも低い遺伝率のメダカもいる為、そういった系統は出来る限り1ペアまたはオス1匹メス2匹等で採卵&累大繁殖した方が遺伝率は高まります。最初に親メダカをセットする時に、少しだけオスよりメスを大きめにしてあげると、オスも自分より大きなメスに攻撃しようとせず、安心して繁殖させる事が、できます。それもオスの性格による所がありますので、すべてそうとも言えませんが、傾向として頭の片隅に置いて頂いていると、何かあった時の対処ができると思います。

メダカ飼育イメージ

喧嘩して弱いオスがますます弱っていく…実はメダカは縄張り意識が強いんです

(花小屋 店主 戸松 具視 監修)