■水槽は時代とともに変わり…
みなさまこんにちはマーケティング部の田中です。アクアリウムがまたブームになりかけているような、とても嬉しい情報をいただく今日この頃ですが、今回は日本の水槽の歴史を世の中のトレンドとともに振り返ってみたいと思います。といっても、私の記憶と記録の限りですので時間的なズレはご了承くださいませ。

■推定1985年くらいまで販売…ステンレス枠水槽
昔の水槽といえばほぼ銀色の枠がついた水槽でした。ステンレスの枠の中にガラスをはめ込んで緑色（記憶）のパテで接着します。出来立ての状態だと水圧でパテがはみ出してくるので、水槽底部分にはかなり多目にパテが盛られていたように覚えています。
昔はステンレスの水槽にコーディネイトした同じくステンレスの蛍光灯（チューリップの透かし付き）があったりしましたが、画像でも発見できず、、、でした。
この頃はまだ熱帯魚ブームに火が付く前で、外国産グッピーのペアで700～800円、ネオンテトラもまだまだ高かったように記憶しています。ペットショップやホームセンターでは、売っている水槽と言えば単体の水槽がほとんど。
この頃、ジェックスは今は主流となった「セット水槽」を販売しはじめていました。

■樹脂水槽の登場
時を同じくして、青い枠の水槽が登場。私の周辺にも実際いましたが、「水槽と言えばステンレスだ！プラスチック枠はすぐに壊れる」という人も。。そんなことはないのですが、新しいものが出るとすぐには普及しないのかもしれません。
当時一番思ったのは、樹脂枠水槽は「軽い」ということ。もちろん、縦の柱の透明感などは新しさを感じました。ジェックスの水槽も当時は青い枠でした。

ＪＩＭＭＹの徒然日記　様より

■黒い枠の水槽の水槽の登場
青い枠の水槽が出てから間もなく、『熱帯魚ブーム』が起きます。諸説ありますが、1990年～1995年くらいでは、と言われます。テレビをつければトレンディドラマ、その影響で家の中は黒いシックな電化製品や家具が並び、必然的に水槽も高級感を求められる時代へ…
大型魚が流行ったこともあり水槽も一気に大型化。ヨーロッパスタイルのオールインワン水槽、オーバーフロー水槽が普及したり、熱帯魚を飼育する人が爆発的に増えたのもこの頃ではないでしょうか。熱帯魚の飼育率調査でもピークは1994年頃でした。大きな水槽で飼育する熱帯魚ではアロワナ、ディスカス、アフリカンシクリッド。小さな水槽がたくさん増えていった背景には国産グッピー、アピストなど。もちろん金魚や川魚を飼っている人もたくさんいました。

■バブルが去り暮らしはナチュラル志向へ…そして白い枠の水槽登場
黒い枠の水槽の時代はとても長く続きました。その間に、曲げガラス水槽と言われる前面ガラスを曲面加工した水槽が「インテリア水槽」の位置づけでブームになり、その後、枠のないフレームレス水槽が登場。
その頃から水槽は家の中の主役から、家のインテリアに「溶け込む」ことを求めらはじめます。ライフスタイルの変化は住宅のつくりも変えていきます。玄関に水槽を置く人はあまりいなくなり、リビングなど普段いるスペースに水槽を置く。なので、必然的に置き場所の制約や壁紙の色、他の家具との調和を考える。そのような時代になりヒットしたのが 白い枠の水槽たちでした。もちろん水槽の色だけではなく、現代求められている「水槽」と「水槽周辺」へのニーズを徹底的に汲み上げた結果でもあります。

「アクアリウムはキャンパス」とジェックスではよく言います。もしかすると、その絵も時代とともに変わっていて、派手な時代もあれば、自然派の時代もある。今はナチュラルな時代なのかもしれません。さりげなく水草を植えて、小さな熱帯魚を飾るように泳がせる。インテリアの一部なので、あまり手間をかけずに楽しむ方法を見つける。
いつの時代も身近に小さな生き物と暮らして癒されたい、そんな気持ちは不変だと思います。次の時代はどんなアクアリウムの世界になるのか。もっとたくさんの人がアクアリウムの魅力を感じてもらうにはどうしたらいいか。みなさまと一緒に考えていきたいです。

本文：マーケティング部　田中