ベタの魅力
ベタの魅力はなんと言ってもたくさんの色彩とオスの長く立派なヒレ。特に色彩は様々な美しい熱帯魚がいる中でも、青や赤など色濃い色彩がいる一報で、シルクのような白や黄色の繊細な色模様など、70種類以上の種類がいて繁殖改良の歴史は100年以上とも言われています。
たくさんの繁殖家の努力で美しい品種が今でも生まれ続けています。
他の魚と大きく違うポイント
ベタは体のつくりも独特の進化をした魚です。最も大きな特徴は「酸素を直接空気中から吸う」、ということでしょう。
普通、魚はエラから水中の酸素を取り込みますが、ベタはエラから取り込む酸素は半分以下。ほとんどの酸素を水面からパクっと口を出して空気(酸素)を吸って体内に取り組みます。ベタを見ていると、数十秒に1回、水面にふわ~っと浮いてきて酸素を吸う様子を見ることができます。
これは、他の魚にはないベタとその仲間が持つ「ラビリンス」という器官が可能にした特別な体の仕組み。もともと暮らしていた環境で進化した、とも言われてます。
ベタの原種(もともとの種類)は、大きな川では流れがほとんどないような止水域、田んぼなどの浅瀬、また小さな水たまりのようなところに暮らしていました。そのような場所に暮らしていたベタは強い流れに弱く、一般的な魚のように激しく泳ぎ回るようなこともほとんどしません。餌を食べるときも、探し回ったり追いかけ回して食べるのではなく、近くに来た餌に飛びつく、というようなスタイル。ベタの原種は主に虫を食べていたので、口も上向きに水面に浮かぶものを食べやすくなっています。
ベタが特別な呼吸をするのは、水たまりのような場所でも生き続けるように、水量が少な環境でも酸素を取り込めるように進化したのかもしれません。
ベタは小さな容器で飼育できる?
ベタは他の魚と比べると小さな容器でも飼育できます。それは、酸素を直接空気中から取り込むため、まずエアーポンプやフィルターなどで酸素を供給する必要がないためです。ベタはもともと暮らしていた環境が止水域や水たまりだったこともあり、水質に対して比較的強いため、フィルターがない水槽でも飼育ができます。
ではベタは広い水槽で飼育するのが良いのでしょうか。
もちろん、水質変化を考えると水量が多いことはプラスになりますが、ベタは空気中から酸素を吸うために水面まで上がらなければなりません。そのため、深さがある水槽は逆にベタにとって負担になります。水面まで距離がないほうがベタにとっては暮らしやすい水槽、と言えます。
また、泳ぎが苦手なベタは、水流が激しい水槽などで水面に上がることができなかったり、深い水槽の水草や流木に引っかかってしまうと、そのまま酸素を吸いに水面に上がれず溺れてしまうこともあります。
ベタは泳ぎ回ることが少ないとはいえ、ベタがゆったりと泳げる空間は確保し、ベタの健康に配慮して、3日から7日に1回、1回あたり1/2から1/3水換えをするなど、水質変化を防ぎましょう。
オス同士の混泳は厳禁。他の魚との混泳は?
ベタのオス同士は激しく喧嘩をすることで知られています。同じ容器内にいるとどちらかが死んでしまうまで喧嘩を続けることもあります。決して同じ水槽に入れてはいけません。
別の容器で飼育する場合、となりの水槽にオスがいるとヒレを大きく広げて威嚇する「フレアリング」を見ることができます。この姿は大変美しく、オスのベタを飼育しているならたまには見たいもの。
ベタを1匹だけ飼育している場合は、鏡を見せることで自分の姿を見て同じようにフレアリングします。
しかし、ふだんはあまり泳がずじっとしていることが多いベタにとって、このフレアリングは体力を使います。ヒレを大きく広げることで、ヒレにも負担がかかるかもしれません。
もし、となりにベタがいる環境で飼育しているなら、水槽と水槽の間に仕切り板を入れて、ずっとオス同士が威嚇しないようにしてあげましょう。そうすることで、ベタへの負担を減らすことができます。
大きな水槽で他の熱帯魚と混泳することは可能です。しかし、ベタは水の流れが苦手なこと、深い水槽は必要としないこと、また、泳ぎが速くないので餌を食べるのも動きの早い魚と比べると遅いかもしれません。
そうしたことを考えると、ベタがゆったり暮らせて、餌もしっかり食べられる環境を用意する必要があります。もし他の魚と混泳するなら、水面近くにベタが休む場所や水の流れが緩やかな場所を意図的につくってあげましょう。
よく慣れるベタ
ベタは非常に良く人に慣れます。人が餌をくれることを覚えると、人が近くに来ると嬉しそうに泳いでアピールします。
他の魚と混泳させていると難しいかもしれませんが、ベタだけを飼い込むと、とってもよく慣れてあなたのかわいいペットになってくれるでしょう。
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