メダカが喧嘩をしている!?対処方法と防ぎ方について

メダカの室内飼育が増えているようです。これまでメダカと言えばメダカ鉢や睡蓮鉢などを使用して屋外で飼育されている方が多いと、私たちは思っていました。ホームセンターやペットショップでの「春のメダカコーナー」も屋外用の容器がずらり。メダカと言えば外だろうという思いで多くの屋外容器も開発しています。お盆休みに田舎に帰ったら、屋外でホテイアオイと一緒にメダカがスイスイ。住宅街の玄関先でもメダカがスイスイ。その隣のお家でもメダカがスイスイ…という光景を見たことはありませんか?

2018年にとった調査では、屋外飼育のメダカの方が多いという結果が出ていました。
しかし2020年にとった調査によると、屋外よりも室内飼育の方が多い、つまり多くのメダカは室内で飼われているという事が分かったのです…!

これはとても衝撃的な結果で、私は世紀の大発見をした気分でした。

室内のメダカは屋外よりも弱い?

ここで色々話を聞いていると、「室内のメダカは屋外よりも弱い」という声がありました。
室内の方が水をキレイにしてくれるフィルターもついているし、正直なところ外メダカよりエサもちゃんと与えてる。冬にはヒーターを入れて、手をかけているはずなのに…。

成魚がある日突然急に死んでしまう、それも1匹だけ。1匹死んだと思えば次にまた1匹、急に細ってしまうメダカが出てくる。そんな経験をされた方もいらっしゃるかもしれません。
実際に私も室内でメダカを飼育し、急に痩せてしまうメダカを何匹も見てきたという経験があります。

綺麗な改良種も増えているし、折角だから室内(水槽)でちゃんと見えるところで飼育したい。。
そんな方がきっと多いだろうと思い、なんとかしてこの事態を突き止められないか?とブリーダーさんを訪問し、聞いてみることにしました。

エサやりイメージ

愛情をかけているはずなのに…!

室内メダカに必要なのは〇〇だった!

ここで野生のメダカはどういう環境に棲んでいるのかを考えてみましょう。
「♪メダカの学校は川の中」という歌いだしの童謡を聞いたことがある方も多いと思いますが、どんな川の中で暮らしているのでしょうか。メダカは体長4cm程度の国内最小の淡水魚です、流れの強いところでは体力を消耗し、弱ってしまいます。メダカはいわゆる「川」というところではなく、田んぼの間を流れる用水路のような穏やかな流れのところに生息しています。

メダカの性質・習性も注目すべき点があります。
「流れに向かって泳ぐ」性質・習性がメダカにはあり、例えば流れの強いフィルターを使用するとそちらに向かって一生懸命泳いでしまいます。夜、照明を消して本来であれば休息をする時間であったとしても習性に従い一生懸命泳ぎ続けてしまいます。人に例えると、昼夜問わずずっとランニングマシーンに乗っている状態ということですね、なかなかハードな環境です。水流を完全に止めてしまうと、水質悪化の要因になってしまうだけでなく水面の油膜にも繋がるため、メダカにとって必要なのは、「穏やかな流れ」であることが分かります。

メダカ飼育イメージ

メダカは流れが大好きだと勘違いをしていました。

 

そういう訳で、室内メダカが疲れたりストレスを感じることのない、穏やかな流れを作ってくれるメダカ用のフィルターを作りたい!という思いに至り、以下の条件を設計チームに依頼をしました。

1、とにかく穏やかな流れにしてほしい
2、稚魚でも泳げる流れにしてほしい
3、メダカにとって、とにかくやさしさ溢れるフィルターがいい

……と、言葉では言うのは簡単なのですが、なかなか難しい注文をしてしまいました。
自宅で孵化をさせて、稚魚を飼育したことがあったのですがフィルター無しだと油膜問題が発生し、フィルターを使えば流れ(特に泡)が激しく、ダブルクリップなどでエアーチューブをねじって挟んで…とアレコレ悪戦苦闘をしたので、どうしても稚魚にも配慮をしてほしい!というのは外せない条件でした。

メダカ専用フィルター設計担当の苦労話

過去の飼育経験を生かして設計

一番悩んだのは、エアリフト式フィルターは水流を弱くすると水をリフトさせる力が弱くなりろ過能力が低くなるということでした。
高いろ過能力とやさしい水流を両立させるのがすごく難しい、ということです。

室内飼育のメダカはフィルターの水流によって絶え間なく泳ぎ続けることでやせ細ってしまいます。
また、飼育者が気になって餌を与えすぎると更に急激な水質の悪化で弱ってしまうという悪循環に陥ることから、室内のメダカが屋外よりも弱い言われる原因なのではないかと考えていました。

過去にメダカの室内飼育を一度断念した経験もあり、そういったお悩みを解決してメダカが大好きな飼育者が室内で楽しんで飼育できるようなフィルターにしたいという想いで開発しました。

 

やさしい水流を実現するためのポイント

ここからは設計の話になるのですが、やさしい水流を実現するためには吐出口の幅を広くする必要があります。

ただエアリフト式で吐出口を広くしすぎると水槽内に水が十分にいき届かない可能性があることや、自然界のメダカを考えると、ある程度の指向性をもった水の流れにしたいと思い、90度の吐出口を考えました。

すぐに試作品を作りやさしい水流は実現したのですが、吐出口から排出される泡が吐出口付近に溜まり、大きくなってしまうという問題が発生しました。
排出される泡と向き合う日々のはじまりです。

このままでは流れ全体に行きわたらない…、大きな泡が弾けることはなんとしても避けたい…と何度も何度も試作をつくり、検証を繰り返し行いました。

いよいよ行き詰まり、先輩上司にも相談し、吐出口の形状を工夫する案をいただきました。
ご購入された方はぜひ実物で見ていただきたいのですが、上は半円形、下は直線形になっています。
試作を繰り返して設計した吐出口です。
泡をより前に押し出したいという方は少し沈めていただけると泡がでる空間が狭くなり真っ直ぐ排出され、下からでる水は穏やかな流れという環境ができるので、試してみてください。

吐出口と向き合い続けて生まれた新形状「ワイド吐出口」です。

 

ろ過能力も確保

ろ過能力も十分に確保できるようにストレーナーにも工夫をしています。

スポンジを四角い形状にして中のストレーナーの幅を伸ばし大きくすることで、広いろ過面積を確保しています。

そしてメダカを育てるフィルターの大きな特徴の一つである、スポンジフィルターと底面フィルターを選べるようにしています。飼育者のスタイルに合わせて楽しんでいただければと思います。

すでに家でメダカを飼育していて底面フィルターを検討されている方にも使いやすいように、通常の底面フィルターならば、砂利の下に設置するために一度全部取り除く必要がありますが、ストレーナーの両側からろ過できるようにしてキャップをつける構造にすることで、砂利にちょっと埋めるだけでも上下両側からろ過できるので、引き直すことが必要ありません。

ストレーナーの先端にキャップをつける構造にすることで、砂利に埋めて使用することが出来ます。

 

他にもまだまだ、薄型形状にすることで、すでにお使いのフィルターのサブフィルターとして追加しやすいことや、メダカのどの成長段階でも使用しやすいように流量調整バルブ付きなこと、稚魚が吸い込まれなく卵がついても簡単に取り外せるように目が細かなスポンジを採用したことなどメダカ飼育の為のフィルターになるようにたくさん工夫しましたので、ぜひ手に取って見て頂ければと思います。

 

メダカ元気 メダカを育てるフィルター

こうして誕生したのが、「メダカ元気 メダカを育てるフィルター」です。
メダカが怖がりにくい、「黒色」にしたのもポイントです!

特長1.やさしい水流をつくる吐出口

エアーをやさしく拡散させるワイド吐出口とエアー調節バルブで、メダカにやさしい水流をつくります。
お持ちの水槽サイズに合わせてご調整ください。
稚魚の場合は、少し絞ってもらった方が良いと思います。

特長2.卵・稚魚にもやさしいスポンジ

卵・稚魚を吸い込みにくい高密度スポンジ採用。繁殖・育成用にも最適なフィルターです。
スポンジ内にろ過バクテリアが繁殖するので、生物ろ過により水をキレイにします。

スポンジを外すと底面フィルターとしても使用できるので、さらにろ過能力をアップ!
ストレーナー先端のキャップは、設計担当のこだわりポイントでもあるので、手にされた方は是非ご覧ください。
もちろん、先端キャップは取り外しも出来るので、お手入れも簡単です。

特長3.可動式ストレーナーで置き方自由自在

ストレーナー部分は水槽のサイズやレイアウトに合わせて縦・横にセットできます。
パッケージにはこの状態で入っているので、ほぼ組み立ててあるのもラクラクポイントですね。
エアーチューブはお好みの位置でカットし、エアー調節バルブの両端につなげ、エアーポンプに繋げてご使用ください。


 

 

設計担当の苦労ポイントが詰まった、やさしさ溢れるメダカ用フィルターです。
メダカの室内飼育に、チェックしてみてください♪

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開発者が解説!「メダカ元気 メダカを育てるフィルター」の動画はこちらから