テラリウムに天然の床材を使用することは、テラリウム内の動植物にとって健康的で生き生きとした環境づくりに多くのメリットをもたらします。
天然の床材には、有機物を分解して栄養をリサイクルし、テラリウム内の健全な生態系を支える有益な微生物が棲みつくことができます。これらの微生物が活動することで、自然環境に近いバランスのとれた状態が作られます。
また、天然の床材には硝化細菌も存在しやすく、動物の排泄物などから発生するアンモニアを、より害の少ない物質(亜硝酸塩や硝酸塩)に変える働きをします。これによって、テラリウム内の有害なアンモニア濃度が下がり、より健康的な環境が維持されます。
さらに、いくつかの天然素材はpHバッファーとして機能し、生体に適した安定したpH値を保つのにも役立ちます。
このように、天然の床材はバイオアクティブ(自然の仕組みを活用する)なテラリウム運用に欠かせない重要な要素となっています。
天然の床材には、植物の成長に必要な栄養素が含まれています。これらの栄養素は、テラリウム内の植物の根の発達や全体的な健康状態をサポートします。
また、天然の床材は植物の根がしっかりと張れる・定着しやすい適切な培地を提供します。根が自然な形で広がり、生育しやすくなることによって、植物はより健康的かつ力強く成長できるようになります。
一部の床材は高い保水性を持っており、水分を長時間保持することができます。これにより、テラリウム内の湿度を安定して維持できるため、特定の湿度環境を必要とする植物や爬虫類・両生類にとって大きなメリットとなります。
また、テラリウム内に湿ったミクロな環境(マイクロクライメイト)ができることで、爬虫類や両生類の体温調節や水分補給、さらには脱皮のサポートにも役立ちます。こうした湿気のあるエリアは、生体の健康な生活環境を実現するうえでとても重要です。
テラリウムで爬虫類・両生類を飼育している場合、天然の床材を使うことで実際の自然環境により近い飼育環境を再現することができます。こうした床材は、爬虫類・両生類たちが穴を掘ったり、巣穴や隠れ場所を作ることができるため、自然界と同じような行動を取れ、ストレスの軽減にも効果的です。
天然の床材は、テラリウムの見た目により自然でリアルな美しさをもたらします。これらの床材を使用することで、自然な景観や調和の取れたレイアウトをつくることができ、テラリウム全体のビジュアルの魅力を高めることができます。観賞する楽しみも増し、日常の癒し空間としても効果的です。
天然の床材を使用する際には、飼育する植物や爬虫類・両生類の種類ごとの特性や必要条件をしっかり考慮することが重要です。生体によって、望ましい床材の種類や湿度レベルは大きく異なるため、それぞれの生体に合った床材をしっかりと調べて選ぶことが大切です。
また、適切なメンテナンス(定期的なクリーニングや床材の交換など)を行うことで、テラリウム内の環境を長期間健康的に保つことができます。
天然の床材を正しく活用することで、テラリウム内の動植物すべての健康と幸福にしっかりと貢献できます。

Exo Terra
コミュニケーションマネージャー

ニューカレドニア、落ち葉の裏に隠れるカレドニアトカゲモドキ(Caledoniscincus atropunctatus) 撮影:B. Trapp.