地下に暮らす起源をたどると、恐竜時代までさかのぼります。
約2億6千万年前の化石から、すでに多くの生きものが自分だけのすみかを地面の下に掘っていたことがわかっています。
この「もぐる」という行動は、太古の昔から多くの種が生き残るために身につけてきた大切な知恵なのです。

ホエヤモリとも呼ばれるコモンバーキングゲッコー(Ptenopus garrulus)は、広範囲にわたるトンネルを造ります。
多くの爬虫類や両生類は、巣穴を掘るという生存スキルを見事に身につけています。自分でトンネルを掘る種類もいますが、大半は他の動物が使っていた巣穴を再利用し、隠れ家としています。こうした地中の空間を使うことで、彼らは捕食者から身を守ったり、棲息地での過酷な温度から逃れたりしています。
地中生活に適応した種の中には、強靭な筋肉質の手足や、がっしりとした体、くさび型の頭を持つ種が多く、砂地などの厳しい環境でも自在に移動できるように進化しています。とくにヘリユビカナヘビやツノトカゲのような爬虫類は、地中に振動を与える特殊な能力を持ち、これによって効率よく潜ることができるなど、高度な進化を遂げています。
過酷な環境に適応するため、爬虫類や両生類はさまざまな行動の工夫もしています。体温を適切に保ち、極端な暑さや寒さを避けるため、活動する時間を季節や時間帯で調整したり、冬眠や夏眠中には代謝を落として長期間休むという戦略もとっています。
特に爬虫類は、体温調節を環境に大きく依存している変温動物です。地中の安定した温度や、日光浴のタイミングを工夫することで、体の熱バランスを保ち、生命活動に必要な生理機能を維持しています。

巣を掘るウミイグアナ(Amblyrhynchus cristatus)のメス。エクアドル、ガラパゴス諸島、フェルナンディーナ島

Exo Terra
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オオクチガマトカゲ(Phrynocephalus mystaceus)、ロシア、ダゲスタン共和国、サリクム砂丘の巣穴付近にて

巣穴から出てきたバタフライアガマ(Leiolepis belliana ocellata)