早朝、エキゾテラチームはクスピン湾へと向かいました。この湾は外洋のうねりや強風から守られており、調査船の停泊には理想的な場所です。3日間降り続いた激しい雨も、ようやく止みました。
この人里離れた湾に到着すると、チームは直ちに、鬱蒼としたマングローブ林を抜け、数多くある河口の一つを遡上し、クサピン半島の探検に向かいました。
マングローブ林を抜けると、熱帯雨林が広がり、川はブロメリアに覆われ、つる植物や葉の多い蔓が垂れ下がるドームのような森の中を蛇行して流れていました。
数キロメートルほど川を上流に進むと、小型ボートではそれ以上進めないほど川は狭くなったのでチームは支流の小さな川岸に上陸して、徒歩で周辺を探索することにしました。
道がないため、チームは川に沿って水の中を上流へと進み、両岸に密生した森が迫る滝へたどり着きました。滝の音が遠くに消える頃、森の至るところからイチゴヤドクガエル(Oophaga pumilio)の鳴き声が響きはじめました。
やがて、再び雨が降り始め、葉に降り注ぐ雨音と、数多くのオスのカエルたちの鳴き声だけが森に響き渡っていました。多くのカエルが姿を現し、森林内のサイコトリアの根張りやその周囲の落ち葉の上でコミュニケーションを取る様子が観察できました。この本土の個体群はエスクード・デ・ベラグアス島で見られるモルフと非常に似ていますが、島の個体に比べて皮膚はよりざらざらしていました。
滝近くの小川でひと泳ぎしてリフレッシュした後、チームは午後遅くにベースキャンプである調査船へと戻りました。雨は止みませんでしたが、ここでようやくすべてのデータや映像、写真をハードディスクへ保存して、次回のフィールドワークに向けてメモリーカードの容量を確保することができました。
