ヒョウモントカゲモドキ - 爬虫類情報 | 爬虫類用品・エキゾテラのジェックス

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EXOTERRA

ヒョウモントカゲモドキ

EUBLEPHARIS MACULARIUSヒョウモントカゲモドキ

ヒョウモントカゲモドキは、イラン、パキスタン、アフガニスタン、そしてインド西部にかけて分布しています。学名は、まぶたを持つヤモリであることに由来しており、英名の Leopard Gecko は特徴的な体の斑点模様が“ヒョウ”に似ていることから付けられています。若い個体は、バンド模様(帯状)をしていますが、成長するにつれて、ヒョウ柄に変わっていきます。

ヒョウモントカゲモドキは、温和で飼育しやすい種類として知られており、アメリカやヨーロッパでは40年以上にわたり繁殖が行われてきました。愛嬌のある顔立ちや、舌で目をなめるしぐさ、尾をふりふりさせながら歩くちょっとユーモラスな動きは、爬虫類初心者から経験豊富な飼育者まで、幅広い人々を魅了しています。

ヒョウモントカゲモドキは比較的社交的な性質があり、1匹のオスに最大5匹までのメスを組み合わせて飼うことも可能です。小さなグループで飼育することで、個体同士の自然なふるまいや繁殖行動も観察でき、鑑賞の楽しみが増しますが、繁殖を行わない場合は1匹づつの飼育をおすすめします。

ヒョウモントカゲモドキの幼体は入手しやすく、さまざまな色合いや模様が見られます。品種改良も進んでおり、ハイイエロー、アルビノ、ストライプ、ハイポ、ハイパーをはじめ、“ゴジラスーパージャイアント”“バナナブリザード”“ブレイジングブリザード”“エニグマ”“タンジェリン”“ディアブロブランコ”など、魅力的な名前と特徴を持つ多くのモルフが登場しています。

ヒョウモントカゲモドキ

歴史

ヒョウモントカゲモドキ属(Eublepharis)は、イギリスの動物学者ジョン・エドワード・グレイによって1827年に初めて記載されました。学名のEublepharisは、「完全なまぶた」を意味しており、開閉できるまぶたを特徴づけています。

ヒョウモントカゲモドキは、1854年にエドワード・ブライス(Edward Blyth)によって初めて科学的に記載されました。学名に入っている「macularius」は、成長すると出てくるヒョウ柄模様に由来しています。

ヒョウモントカゲモドキは、アメリカやヨーロッパで40年以上にわたり継続して飼育・繁殖が行われてきました。その結果、自然界に見られる原種の模様だけでなく、多彩な色や模様を持つモルフ(品種)が作出されてきました。

「Bubba」という名前で知られるトレンパーアルビノモルフを作ったトレンパー氏、エニグマモルフを開発したキム・ベル氏とその夫、そしてMackSnowモルフを生み出したジョン氏といったパイオニアたちが道を切り拓いたことで、ヒョウモントカゲモドキはプロ・アマ問わず多くのブリーダーに愛され、爬虫類飼育の世界で最も成功を収めた爬虫類のひとつとなりました。

ヒョウモントカゲモドキ

特徴

ヒョウモントカゲモドキは、「まぶたのあるヤモリ」と呼ばれるトカゲモドキ科(Eublepharidae)に属しています。

体形は細長く柔軟性があり、三角形の頭部と太くしっかりした尾を持ちます。皮膚は粒状の鱗や突起で覆われており、全体的にごつごつとした印象があります。幼体から若い個体の間は黄色いバンド模様(帯状)が特徴ですが、成長するにつれて成体特有の斑点模様、いわゆるヒョウ柄に変化していきます。

ヒョウモントカゲモドキはまぶたを閉じることができますが、足裏の粘着パッドは持ちません。その代わり、指先に小さな爪が発達しているため、岩場や固い砂地でもしっかりと地面を掴むことができます。また、ユニークな特徴として、舌で自分の目をなめてきれいにする行動が見られます。

外敵に遭遇した際には、「キュッ」という短い鳴き声を発して威嚇します。尾には脂肪や水分を蓄えることができるため、非常時のエネルギー供給源となります。また、防御手段として自ら尾を切り離す(自切)こともできます。

成体のオス・メスともに、体長は18~25cmほどまで成長します。孵化直後の幼体は7~10cmほどです。オスの個体は尾の付け根に2つのふくらみ(ヘミペニス)があり、さらに肛門の前にV字状に並ぶ前肛孔が特徴として見られます。

性成熟は早い個体で生後9~10か月頃から見られますが、繁殖に臨む場合は最低でも12~18か月程度まで成熟を待つことを推奨します。これは、卵の形成や産卵といった過程が個体に大きな負担をかけるため、十分な体力を備えてからが望ましいためです。

分布

ヒョウモントカゲモドキは、イラン、パキスタン、アフガニスタン、そしてインド北西部に広がる、岩場の多い乾燥した草原や砂漠地帯に分布しています。

ヒョウモントカゲモドキ

野生では

ヒョウモントカゲモドキは、薄明時や夜間に最も活動的になる、地表性のヤモリです。

自然の棲息地は、石が多く、砂地や岩が混在した環境です。草や低木が生える場所も含まれ、彼らはゆるやかなコロニー(集団)を作り、同じ隠れ家を仲間たちと共有します。柔軟な体と指先にある小さな爪は、このような環境で餌を探して捕食するのに非常に適しています。

ヒョウモントカゲモドキの柔軟な体や指先の小さな爪は、こうした岩や砂地の環境での餌探しや狩りに適応しており、効率よく移動して獲物を捕らえることができます。

野生での主な天敵は、キツネ、ジャッカル、マングース、フクロウ、大型トカゲ、そしてヘビなどが挙げられます。

昼間の間は、穴や砂や粘土が混ざった地形の隙間、石の下、森林に近い環境では樹皮の下などの隠れ場所で休息しています。

ヒョウモントカゲモドキは完全に昆虫食で、様々な無脊椎動物を食べます。夜になると、虫、サソリ、クモなどを求めて、狩りをします。成体になると、他のトカゲ、小さなヘビ、さらには生まれたばかりのネズミも食べることがあります。獲物を狙う際には尾を揺らしながらゆっくり近づき、突然素早く攻撃します。

寒い冬の間、食料が少なく気温が理想的でない場合、ヒョウモントカゲモドキは約1.5〜2.5ヶ月間の冬眠(brumation)期間を過ごします。この期間中、彼らは巣穴の中に退避し、ほとんど食べることはせず、時折水を飲む程度です。この冬眠期間は、春の繁殖に必要なホルモン変化を促進する重要な役割を果たします。

繁殖期は通常3月から7月です。メスは暗く湿った穴や隙間に2つの卵を産みます。また、メスには「遅延受精」という特異な機能があり、1回の交尾で得た精子を保存し、さらに交尾することなく受精させることができます。

ヒョウモントカゲモドキが棲息する環境の気温は、3月頃には22〜24°C、6月から7月には40〜45°Cにまで上昇します。相対湿度は通常30〜40%ですが、モンスーン(雨季)の期間には70〜80%に急上昇します。ただし、最も乾燥した季節でも、ヒョウモントカゲモドキが潜む洞穴内の湿度は40〜45%程度に保たれています。

テラリウムでは

薄明時や夜間に最も活動的になる、地表性のヤモリです。

デザートソイル、水飲み皿、隠れ家、その他の装飾的なシェルターを使ったシンプルなレイアウトや、テラメイカー デザートなどでサバンナのような景観を作り、涼しい湿気の巣穴や暖かい高台のひなたぼっこエリアなど、より自然なレイアウトでヒョウモントカゲモドキに最適な環境を造ることができます。

ヒョウモントカゲモドキ

飼育ケージ

Exo Terra グラステラリウムは、ヨーロッパの爬虫類専門家によって設計されており、ヒョウモントカゲモドキの飼育に最適な住環境を提供します。これらのグラステラリウムは観音開きのフロントドアで、メンテナンスや給餌が楽に行えます。また、独自のダブル換気システムとステンレス製メッシュトップカバーを備えているのが特徴です。

メッシュトップカバーはUVBや赤外線の透過を可能にし、ケージのレイアウトやメンテナンス時には全面を取り外すことができるため、作業が非常に楽です。電源コードやチューブ類を隙間なく完全に収納できるコード穴をトップカバー背面に設置されています。

Exo Terra グラステラリウムの4530、4545、6030、6045、9030、 9045といった各種サイズは、十分な通気性と床面積を備えているため、若いヒョウモントカゲモドキの多頭飼育や、成体のオス1匹と複数のメスを一緒に飼育する場合にも最適な環境を提供します。

RECOMMENDED TERRARIUMS Animals サイズ W × D × H
グラステラリウム3030 PT2600 幼体~成体 31.5×31.5×33cm
グラステラリウム4530 PT2603 成体 46.5×46.5×33cm
グラステラリウム6030 PT2604 成体 61.5×46.5×33cm

「レオパ飼育キット」というスターターキットも販売しており、ヒョウモントカゲモドキの飼育に必要な要素がひとつにまとまっています。

※テリトリー意識が強いため、同じテラリウムでオスのヒョウモントカゲモドキを2匹以上飼育することは避けてください。
※飼育するペットの種類や個体数に関しては、必ずお住まいの国や地域の法令や規定を遵守してください。
※テラリウムは、直接太陽光が当たらない、窓から間接的に光だけが入る室内に設置してください。窓際など直射日光が当たる場所に設置するとテラリウム内が高温になり、ヒョウモントカゲモドキが大きなストレスを感じたり、最悪の場合は死亡につながるおそれがありますので、十分ご注意ください。

照明

ヒョウモントカゲモドキは、薄明薄暮性、夜行性のため、強い照明や強いUVB照射は必要ありません。多くの個体は少量のUVライトを与えることで健康維持に役立ちます。アルビノなど一部のモルフは目がとても敏感なため、強いUVライトを避けてください。

適切な量のUVBを与えることで、ヒョウモントカゲモドキはカルシウムをしっかり代謝でき、代謝性骨疾患(MBD、くる病など)を予防することができます。適切なUVB波長と熱を同時に与えることで、体内でビタミンD₃が生成され、カルシウム吸収を促進・正常化します。レプテリアUVB100は、低レベルのUVB照射で健康維持に最適なライトです。また、UVAは食欲や活動性、繁殖行動も刺激します。

昼夜の観察用には、省エネのLEDライト(デイサイクルLEDなど)で十分です。日中に光と熱を併せて与えたい場合は、サングロー バスキングスポットランプやサングロータイトビームバスキングスポットライトなどを使用し、テラリウム内にホットスポット(温かい場所)を作ってください。

年間を通じて健康に飼育するには、12時間の昼(点灯)/12時間の夜(消灯)のサイクルが適しています。より自然に近い飼育や繁殖を狙う場合には、夏場は14時間の昼・10時間の夜、冬場は10時間の昼・14時間の夜という季節に合わせたタイマーでの調整がおすすめです。

保温

ヒョウモントカゲモドキは変温動物で、自分で体温を調節することができないため、飼育環境の中で暖かい場所と涼しい場所を行き来して、体温を調整します。

この習性をふまえ、飼育ケージ内には適切な温度勾配をつくることが必要です。床面の約1/3程度にレプタイルヒートを設置し加温することで、残りの2/3が涼しいエリアになります。
日中の暖かいエリアは30~35℃、涼しいエリアは26~28℃を目安に設定しましょう。夜間は全体で平均20~22℃程度に設定してください。

※ヒョウモントカゲモドキが直接熱源に触れてやけどすることのないよう、ヒーター類の設置場所には十分ご注意ください。
※飼育部屋が寒い場合や設定温度に達しない場合は、暖かくするエリアの上部からヒーティングトップなどを追加してください。
※適切な温度管理のため、温度計を暖かい場所と涼しい場所の両方に設置することをおすすめします。
※さらに確実な温度管理を行いたい場合には、多機能なタイマーサーモの設置をおススメします。

観察

ヒョウモントカゲモドキが健康に過ごすためには、昼夜それぞれに適した温度管理が非常に重要です(詳しくは「保温」セクションをご参照ください)。

テラリウム内の温度勾配を正確に把握するには、温度計の設置が有効です。Exo Terra デジタルまたはアナログサーモメーターを2つ用意し、1つはケージの暖かい場所、もう1つは涼しい場所に設置しましょう。こうすることで、ヒョウモントカゲモドキにとって理想的な温度環境が維持できているか、しっかり確認できます。

生体に安全な温度を安定して供給するためには、サーモスタットの使用が最も確実です。タイマーサーモを使用すれば、真夏の過熱や冬場の冷えすぎなどを未然に防ぐことができ、安心して飼育を続けることができます。

床材

床材は飼育の上で欠かせないアイテムです。
つるつるしたガラスの上やプラケースの上のままだと足が滑って、しっかりと足を踏ん張ることができません。
床材は足の健康を守り、フンや排泄物をとりやすく清潔に保ちやすくするためにも準備をしましょう。

植物

配置することで、隠れ場所を充実させるとともに、インテリアとしての美しさも高めることができます。

人工植物は、本物の植物とそっくりに作られており、レイアウトの美観を損なうことなく、隠れ家、目隠しとしての役割も果たします。生体に安心感を与え、ストレス軽減にも役立ちます。また、人工植物はメンテナンスが簡単で、生きた植物とうまく組み合わせることで、特に暑さや乾燥の厳しい箇所にも緑を配置できます。

隠れ家

ヒョウモントカゲモドキが昼間に安心して隠れたり眠ったりできる安全な場所を用意しましょう。
シェルター内の湿度がテラリウム全体の平均湿度よりもやや高め(おおよそ60~70%)になるよう意識しましょう。

自然なマイクロクライメイト(微気候)を再現しやすいセラミック素材のモイストシェルターコーナーは、爬虫類・両生類・昆虫などに安全な隠れ家や寝床を提供すると同時に、湿度を保ちやすい構造になっています。セラミック特有の吸放湿性により、水分をゆっくり吸収・放出するので、ケイブ内の湿度や温度を自然に調整してくれます。これによって、体温調整や水分補給、脱皮サポートにも役立ちます。

また、湿らせた水苔をケイブの中に敷くことで、湿度をさらに高められ、繁殖期には産卵場所としても最適です。

複数のヒョウモントカゲモドキを同じテラリウムで飼育する場合は、個体ごとに隠れ家を確保し、争いやストレスを防ぐよう心がけてください。

装飾

テラリウムのレイアウトにひと工夫加えることで、ヒョウモントカゲモドキの活動量や探索行動を自然に促すことができます。隠れ家や植物といった必須アイテムに加え、さまざまなデコレーションを取り入れて内装を美しく演出するのもおすすめですが、空間が狭くなりすぎないよう、レイアウトバランスには気を付けてください。

栄養

ヒョウモントカゲモドキは完全な昆虫食性なので、適切なサイズの昆虫をバリエーション豊かに与えることが大切です。一般的な目安として、与える昆虫の最大サイズは「ヒョウモントカゲモドキの頭の幅」までに収めましょう。さまざまな種類の昆虫をローテーションして与えることで、必要な栄養素を幅広く摂取できるように配慮してください。

活き餌を与える際は、必ず24~48時間前までに、コオロギブースターやリンゴのスライス、サツマイモ、オレンジ、シリアルなどの栄養価の高いエサで「ガットローディング」しましょう。こうすることで、昆虫自体が栄養豊富になり、ヒョウモントカゲモドキにも良質な栄養を届けることができます。

市販の昆虫は、カルシウムや各種ビタミンが不足しがちですので、マルチビタミンとカルシウム(+D₃)のパウダーを1:1で混ぜたものを昆虫にまぶしてから与えてください。

なお、幼体は毎日、成体は一日おきに給餌してください。

昆虫の栄養素たっぷりな人工フード、レオパブレンドフードやRepDeli トリプルバグペースト ミズアブ&コオロギにはカルシウムや各種ビタミン類が配合されているので、そのまま与えることができます。

水分

ヒョウモントカゲモドキはもともとやや乾燥した環境で棲息している爬虫類ですが、飼育下では常に清潔で新鮮な飲み水を与えることが非常に大切です。Exo Terraでは、さまざまなサイズのウォーターディッシュを取り揃えており、どれも爬虫類がしっかり水分補給できるように設計されています。ただし、あまり大きすぎるウォーターディッシュを使用すると、ケージ全体の相対湿度が過剰に上がってしまう可能性があるため、避けてください。

メンテナンス

ヒョウモントカゲモドキはテラリウムの中にトイレエリアを決めて、いつも同じ場所で排泄します。そのため、お掃除がしやすいのも魅力のひとつです。

【毎日のお世話】

  • ヒョウモントカゲモドキの健康状態をチェックしましょう。元気に動き回っているか、体重が減っていないかなど、全体的な体調を観察しましょう。
  • テラリウム内の温度が適切か確認しましょう。
  • 水入れは毎日洗い、常に新鮮で清潔な水を用意しましょう。
  • 決まったトイレエリアのフンや汚れた床材、死んだ昆虫や食べ残しをこまめに取り除きましょう。
  • 人工フードまたは生きた昆虫にビタミン・ミネラルサプリメントをまぶしたものを、年齢に応じて毎日または一日おきに与えましょう。

【毎週のお世話】

  • 流木やシェルターなどの汚れた個所を掃除しましょう。
  • テラリウム内の生きた植物に⽔やりをしましょう。
  • ガラスや装飾品は、⽔やシートクリーナーで汚れを落としましょう。
忙しい毎日でも、お世話の基本を押さえれば、ヒョウモントカゲモドキにとって快適な環境を維持できます。
衛生的で健康な飼育環境を保つためにも、ぜひ習慣化しましょう。

ブリーディング

ヒョウモントカゲモドキを一年を通して健康に飼育するには、「12時間昼/12時間夜」のサイクルで昼夜を切り替えるのが基本です。

より自然に近い環境や、繁殖を狙う場合は季節によって昼夜の時間を調整します。
たとえば、夏場は「14時間昼/10時間夜」、冬場は「10時間昼/14時間夜」とサイクルを変えてみましょう。

冬期の“ブルーメーション”について
野生下では、レオパードゲッコーは毎年1.5~2.5か月ほど「ブルーメーション(軽い冬眠状態)」に入ります。繁殖を狙う場合、この期間を人工的に再現することが必要です。

・繁殖させたい場合、日照時間を14時間→10時間に減らし、レプタイルヒートもオフにして温度を32℃→21℃に下げてください。
・この期間は活動量が減り、食欲・飲水量も少なくなります。
・1.5~2.5か月経過したら、再び日照時間を12~14時間に増やし、温度も元に戻しましょう。

オスとメス(最低1ペア以上)で同じケージに入れている場合、このサイクルを経ることで繁殖行動が引き出しやすくなります。

産卵~卵の管理
交尾から3~3.5週間後、メスは通常2個ずつ卵を産みます。産卵期には3~4週ごとにこの産卵が繰り返される場合もあります。

産卵用には、しっかり湿度を保てるシェルターを設置し、中には湿らせた水苔などを敷いておきましょう。

採卵時は卵の上下を動かさず、向きを変えずにそっと取り出しましょう。
卵はインキュベーションまたは密閉容器にセットし、必ず希望温度に設定した孵卵器に入れて管理します。
温度チェックはこまめに行いましょう。

孵化温度と性決定について
ヒョウモントカゲモドキの卵は、26~32℃の幅広い温度で孵化し、温度によって孵化する個体の性比が変わります(温度依存的性決定:TSD)。

・26~28℃:メスが多く孵化
・29~30℃:オス・メスが半々
・30.5~32℃:オスが多く孵化

孵化までの期間は温度によって異なり、低温だと40~60日と長めに、高温だと短くなります。

栄養管理について
卵を産む前後のメスには、特にカルシウムやマルチビタミンをしっかり補給できるよう、活き餌には十分な量のサプリメントをまぶして与えてください。

ハンドリング

ヒョウモントカゲモドキは、適度なハンドリングには比較的よく慣れますが、過度なハンドリングは生体にストレスを与えるため、必要以上に触りすぎないよう心がけましょう。

特にベビーやヤング個体(体長約13〜15cm未満)は警戒心が強く、威嚇音(シューやキューなど)を発したり、ハンドリングによるストレスが大きくなりがちなので、十分なサイズに成長してからゆっくり慣らすのがおすすめです。

ハンドリングの際の注意点
上から手を伸ばすと「天敵に襲われた」と誤認され、パニックに陥る可能性があるため、必ず横や前方からゆっくりと近づきましょう。
素早い動きや強引な持ち上げは避け、優しく動かしてください。
手や足、尻尾をつかんで持ち上げないよう十分注意しましょう。
食事中はハンドリングを控えてください。

ハンドリングの手順としては、まず手のひらをケージの床にゆっくりと置き、ヒョウモントカゲモドキが自分から手の上に乗ってくるのを待ちましょう。
誘導がうまくいかない場合は、もう一方の手でエサをそっと差し出すと、エサにつられて手に乗ってくることもあります。
自分から乗ってこない場合は、身体の下に手を滑り込ませて優しくすくうように持ち上げ、できるだけ全身をしっかり支えてあげてください。尻尾や足も含めて身体全体を支えるのがポイントです。

ハンドリング中、ヒョウモントカゲモドキが手や周囲をペロペロと舐めることがありますが、これは「環境を嗅ぎ、味を確かめ、慣れようとする」自然な行動です。一方で、キーキー・クックッといった鳴き声で威嚇したり、強く嫌がる場合は無理に続けず、その日はやめましょう。

絶対に尻尾をつかまないようにしてください。
尻尾は防御反応で自切してしまうことがあります。一度切れた尻尾は再生しますが、元通りの形には戻りませんので特に注意しましょう。

※爬虫類・両生類・昆虫などを触る前後は、必ず温かい水と石けんでよく手を洗うようにしてください。

まとめ

ヒョウモントカゲモドキは、棲息地ではとても一般的に見られるヤモリで、絶滅のおそれの少ない種としてIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストで「LC(Least Concern/低危険種)」に分類されています。
現在、国内外のペットショップに流通している個体のほとんどが、ブリーダーによって計画的に繁殖された「飼育下繁殖個体」です。

ヒョウモントカゲモドキは、おとなしくて扱いやすく、初めて爬虫類を飼う方にも最適なペットとして高い人気があります。愛嬌のある顔立ちや、舌で目をなめるしぐさ、尾をふりふりさせながら歩くちょっとユーモラスな動きなど、見ているだけで癒されるポイントがたくさんあります。爬虫類初心者から経験豊富な飼育者まで、長く愛され続ける種です。

また、ペットショップや爬虫類専門店で容易に入手できる上、カラーバリエーション(モルフ)の多さも人気の理由となっています。

ヒョウモントカゲモドキ

知っていますか?

  • ヒョウモントカゲモドキは、テラリウムの中で“トイレの場所”を決めて排泄する習性があり、お掃除がとても楽です。
  • まぶたを閉じることができる珍しいヤモリで、さらに自分の舌で目をきれいにすることもできます。
  • 成長は早く、12~16か月ほどで成体サイズまで大きくなります。十分に栄養管理と環境づくりができていれば、なんと最長25年も生きる長寿の爬虫類です。
  • 脱皮の際は、自分の抜けた皮を食べて、大切な栄養を無駄なく摂取します。

よくある質問

ヒョウモントカゲモドキは初心者のペットとして理想的な動物で、穏やかで「飼いやすい」ことで知られています。彼らのかわいい笑顔、舌で目を掃除する能力、そして少し不器用な尻尾を振る動きが、初心者の爬虫類愛好者から上級者まで魅力的なペットとして受け入れられています。また、繁殖された個体がほとんどの爬虫類店で購入できることや、豊富なカラーのバリエーションがあることもその人気を支えています。ヒョウモントカゲモドキは夕暮れや夜に活動する動物であることは念頭に置いていてください。

1つのテラリウムにオスのヒョウモントカゲモドキを2匹以上入れないでください。縄張り意識が強く、ケンカをすることがあります。

野生の昆虫には有害なバクテリアが含まれている可能性があるため、与えることはおすすめしません。また、園芸用の化学薬品に接触している可能性があり、ヒョウモントカゲモドキにとって有毒となる可能性があります。

ヒョウモントカゲモドキの食事には、できるだけ多くのバリエーションを持たせることで、必要な栄養素をすべて摂取できるようにしましょう。Exo TerraのレオパブレンドフードまたはRepDeli トリプルバグペースト ミズアブ&コオロギを使えば、必要な栄養素を与えることができます。

いいえ、他の爬虫類と同様に、ヒョウモントカゲモドキも定期的に脱皮します。脱皮の時期になると、白っぽい色に変わります。脱皮は通常24~48時間以内に終了します。

尻尾がなくなっても、ヒョウモントカゲモドキに問題はありません。見た目に影響が出る以外、尻尾がなくなってもヤモリの動きに何ら支障はありません。

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