コロン島は、ボカス・デル・トロ諸島の中で最も大きく、最も人口が多い島です。約3,500人の人々が暮らしており、その多くが島の南東部に位置する主要な町で生活しています。
近年、牧草地の急速な拡大によって、島内の森林は断片化が進んでいます。このため、豊かな生態系や自然環境が分断され、生物多様性への影響が懸念されています。
コロン島は、ボカス・デル・トロ諸島の中で唯一北から南へ縦断する道路が整備されている島で、今回の調査では四輪バギー(ATV)を使って島内を探索しました。残念ながら、島の多くは森林伐採が進み、大部分が開けた土地になっていますが、原生林の大きな区画はまだ残っています。
島の内陸部は丘陵地帯となっていますが、主要道路を使えば簡単にアクセスできました。小さな小道を進み、より深い森の中に入っていくと、すぐにイチゴヤドクガエル(Oophaga pumilio)の特徴的な鳴き声が下草の中から聞こえてきました。間もなく、最初の鳴いているオスのカエルが、やや低い木の幹で見つかり、メスを呼び寄せたり、小さな縄張りを守ろうとしていました。
この小型で鮮やかな色彩を持つカエルたちは、探索した地域では非常に多く見られました。ほとんどの個体は、露出した根やフィロデンドロンの葉、木の幹、地上1メートルほどの高さのブロメリアなどで観察されました。落ち葉の中で見つかることはほとんどなく、地表を移動する際は倒木や根などを好んで移動していました。
コロン島で見られるイチゴヤドクガエルのモルフは、黄緑色に茶色の模様や斑点が特徴です。チームが森林の低層部でカエルを撮影している間、興味深そうにカンムリナマケモノが濃密な林冠部分をゆっくりと移動していました。
今回はコロン島での滞在時間が短く、また激しい雨も重なったため、両生類や爬虫類の他の種の観察は多くできませんでした。探索を終えたチームは、島南端に位置するボカスの小さな港から、再び調査船に乗り込みました。
