自然がもつ深遠な美しさと複雑さを大切に考える私たちは、テラリウムをバイオアクティブ化することで、その繊細なバランスを生活空間に取り込めると実感しています。バイオアクティブのアプローチとは、自立し、エコロジー的に健全な環境を生み出すことを目的とした方法です。動物・植物・微生物・底床が調和的に共存し、互いに栄養を与え合うことで一つの小さな生態系を形成します。
バイオアクティブ テラリウムをデザインする際には、自然界における生態的プロセスや生物同士の相互作用をできる限り再現し、安定しバランスのとれた住環境を目指します。そこでは、爬虫類や両生類、植物、さらにはワラジムシやトビムシ、ミミズなどの無脊椎動物が多様な役割を担いながら互いを支え合い、その結果として小さな生態系全体が活性化し、安定するのです。
バイオアクティブ テラリウムの核となるのは、“分解”という自然の営みです。落ち葉や排泄物などの有機物は、バクテリアや菌類といった微生物により分解され、そこで生まれる栄養分が植物にも吸収されます。こうした循環が小さな生態系を支える共生関係を育み、全体の活力と調和をもたらします。
このアプローチの利点は多岐にわたります。バイオアクティブテラリウムは自然に近い美しさを保ちながら、そこに住む動物たちの健康にもつながっていきます。土の中の微生物は排泄物などを分解して有害物質の蓄積を防ぎ、結果的にメンテナンスの手間も軽減されます。ただし、バイオアクティブ環境はとても繊細な生態系なので、特定の種が必要とする条件などには注意を払うことが大切です。
私たちのゴールは、爬虫類が心地よく生活できる住まいを整えることです。それは、自然界の複雑で美しい調和を理解・体感するための招待状のようなものでもあります。私たちは、このバイオアクティブな考え方を推進することで自然とのつながりを深め、飼育者の皆様が、そこに暮らす生き物すべてと共に、日々その魅力を味わえる環境をつくりたいと願っています。
Exo Terra ブランドマネージャー
「バイオアクティブテラリウムの本質は、自然が生み出す“分解”というプロセスにあります。落ち葉や排泄物などの有機物は、バクテリアや菌類といった微生物にとっての格好の“食材”となり、彼らの働きによって分解されていくのです。」
バイオアクティブテラリウム
バイオアクティブ テラリウムは、いくつもの要素を巧みに組み合わせる“アート”とも言えるでしょう。それぞれの要素が異なる役割を担い、それらの相乗効果を理解することが理想的なミニ生態系づくりの鍵になります。
1.底床
テラリウムの“土台”でありながら、そこから生命が湧き出る重要な要素です。バイオアクティブの環境では、植物が必要とする栄養素を十分に含んだ底床を厳選・調整して用います。健全な植物の成長は、テラリウム内の他の住人たちをも支えます。
2.掃除屋
トビムシやワラジムシなどの小さな無脊椎動物、そして微生物は、テラリウム内の“リサイクルシステム”を担っています。彼らは落ち葉や排泄物などの有機物を分解し、有益な栄養素へと変えます。これにより環境内の毒素リスクが低減され、テラリウム全体の健康を維持します。
3.植物
バイオアクティブテラリウムにおける“生きる装飾品”と言える存在です。その美しさにとどまらず、隠れ家や湿度保持、そして枯葉などの分解を通じた栄養供給など多面的な役割を担います。自然の生息環境を再現することで、飼育する爬虫類や両生類にとっても理想的な住環境を提供します。
4.爬虫類＆両生類
テラリウムの“主役”である生体たちも、生態系の循環に加わる重要な仲間です。彼らの排泄物がクリーンアップ班の栄養源となり、新陳代謝サイクルにおいて不可欠な役割を果たします。同時に彼らは、バイオアクティブな暮らしの大切な恩恵を受ける存在でもあります。
このように、バイオアクティブ テラリウムは単なる容器ではなく、“生きた小さな世界”です。底床やクリーンアップ班、植物、そして爬虫類・両生類の調和が、自然が持つ知恵と美を形作ります。私たちは、この繊細なバランスを守り育てることで、自然を観察しながら実際に参加できる場を提供したいと考えています。そこでは、すべての要素が互いに影響し合いながら、より良い住環境を創り出していくのです。あなたの愛する爬虫類や両生類が本来の姿で暮らせる“本物の家”づくりを、私たちと一緒に目指しましょう。
